宿屋伊勢ピットでは、2019年の開業当初から変えていないことがあります。
その1つが「時期や曜日で価格を変動させないこと」
宿泊代は完全固定制を敷いてきました。
しかしながら2024年から楽天トラベルに参入しおおよそ4ヶ月。
色々な課題が現れてきました。
そこでひとまず実験的にですが8月の宿泊は時期や曜日で(需要に合わせ)価格を変動させる「ダイナミックプライシング」制を導入します!
今回の記事はなぜダイナミックプライシングを導入するかの理由などを書いていきます。
言い値で物やサービスを売るには?
まず大前提ですが、物やサービスをこちらの(売り手の)言い値で買ってもらうにはどうしたら良いでしょうか?
答えは自分で営業して売るです!
例えば、不要な物などを売りたい場合皆さんはどうしますか?
おそらくはメルカリなどのサイトを通じて売りに出す方がほとんどだと思います。
しかしサイトなどを通じて売ると絶対に避けられないのが「相場」
同じものや類似品を明らかに人よりも高く買ってもらうことは至難の業だと思います。
しかしサイトなどを使わず自ら営業して売る場合、スキルによってはこちらの言い値で買ってもらうことも可能です。
相場が可視化されにくいのです。
宿屋伊勢ピットでは、開業を決めた2017年頃から2年かけて様々な営業をして2019年当時としてはかなり割高な価格でしたが、たくさんのゲストさんにお越しいただくことに成功しました。
しかし2020-2023年のコロナショックで4年間営業活動は停止。
2017-2019年の営業活動もほとんどのお客様から忘れ去られてしまいました。
また一から営業活動をしていくには経済的にも精神的にも難しいのが現状でした。
価格が可視化される
2024年楽天トラベルに参入し、当たり前ですが価格が全て可視化され周辺の宿との相場がゲストさんから丸見えになりました。
現在(固定価格制)では周辺の宿の相場と伊勢ピット比較すると・・・
閑散期→割高
通常期→やや割高
繁忙期→やや割安
超繁忙期→かなり割安
上記のようになっていますので、超繁忙期や繁忙期は満室か準満室をいただくことがほとんです。
逆に通常期はあまり予約は入らず、閑散期はほとんど予約はありません。
このまま固定価格制を続けていくと、予約の波が大きすぎる。
(以前↓の記事で需要を平準化することが重要と書きましたので参考に)
やはり相場と宿の価格が可視化してしまう以上、ある程度は相場感を意識した価格設定にしないとならないと思いました。
エリア最安になってしまうことで起こったこと
先の項で書いた通り今の固定価格制では予約の波が大きすぎる。
そしてダイナミックプライシング導入の決めてが、このGWにありました。
宿屋伊勢ピットはエリア最安(客単価)になってしまったのです。
2019年では周辺の同カテゴリーの宿の1.5倍くらいの強気な価格が、5年間値上げも(少ししか)していなかったために、昨今のホテルの価格高騰の波についていけていませんでした。
エリア最安になって何が困るの?って思われるかもしれませんが、宿屋伊勢ピットは割とゲストさんに滞在中に守ってもらうルールが多いです。
予約をいただいた後にそのルールについて案内を個々に送っていますが(楽天の予約ページにも記載してある)、滞在中にルールを守らない人の割合が増えてしまったのです・・・。
要するに客層の低下です。
誤解がないよう書いておきますが、ほとんどのゲストさんは良い方でルールを守ってくれましたが、マナーの悪い人の割合が普段より増えてしまったということです。
例を挙げれば・・・
・共用リビングで夜中まで飲酒。メンバー泥酔状態。
・備品の破損(持ち帰り)
・共用キッチン冷蔵庫で他人の物を飲食する
価格最安にするとは客数を得られる代わりに、上記のようなことが起こる。
特に伊勢ピットのような旅館スタイルの構造では、マナー違反者がいるとマナーの良い上客さんたちの快適性も失われる。
販売を楽天トラベル(外部)に頼るなら
ここまで書いてきたように販売を外部に頼るならば相場感を意識しないと、予約の波の大きさと繁忙期での客層の低下が起こることがわかりました。
8月はお盆休み(超繁忙期)があり、そのほかの日も平日含め繁忙期にあたります。
GWの状況を見るとお盆休みの超繁忙期が基本価格の20-25%増、その他が10-15%増しくらいで価格設定しようと考えています。
ひとまず5月の下旬頃に8月分のダイナミックプライシング設定での予約を開始する予定ですので、今後とも宿屋伊勢ピットをよろしくお願いいたします。